薮中三十二様(野村総合研究所顧問、前外務省事務次官)国際情勢と日本外交

薮中三十二様(野村総合研究所顧問、前外務省事務次官)国際情勢と日本外交

ロシア

 もう一つの大きな相手は、ロシア。去年の秋、メドベージェフ大統領が国後を訪問し、それ以降もいろいろかたちで同様の動きを示している。
 一部には、このロシアの動きを中国と結託してのこととする見方がある。結託は絶対にない。ロシアの中国に対する警戒心は強い。
 それなら何故ということだが、自民党政権が福田から麻生、ついで民主党の鳩山と総理が代わってきたことで、日本側の誰と話していいか分からない、それなら自分の方から問題を突きつけようということで、国後に行くことになった、「択捉、国後はもう無理なんだよ」ということを日本に突きつけたのではないか。
 ただ同時に、それでは日本が呑めないということも知っている。知りながら、事実関係をどんどん築き上げるというのが、今のプロセスかなと思う。

 問題は、来年以降ロシア側でも新しい体制ができる、どちらが大統領になるにせよ長期政権ができる。この問題の解決は、双方にとって相当しんどいものになる。双方が受け入れ可能な解決策は、お互いにとってハッピイ、ハッピイではなく、国内的にも批判があり得る。それを解決できる力のある政権が、お互いできるか。ロシア側は来年できる。日本側でそういう安定政権ができれば、最終的落ち着き先をどこで考えるか。
 
がっちりと交渉する必要がある。双方に安定した政権ができれば、それができるだろう。

これからの日本

 最後に、日本のグローバルな社会との付き合いということだが、この時点について言えば、当然世界は、日本政府が福島原発事故をアンダーコントロールにおいて対応して欲しい。そのためのきちんとした道筋を示し行動して欲しいという期待感は非常に大きい。原発事故は、世界各国の自分たち自身の問題になっている。そのことを前提にしていえば、多分、世界は「日本はまだすごい国なんだ。日本国民はすごいのだ」ということを、同時に思っていると思う。
そういうなかで、改めてわれわれが日本の復興に向けての動きを強めていかなければならないと思う。

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