柴田 明夫 氏(丸紅経済研究所代表)「資源争奪戦と震災日本の課題」

柴田 明夫 氏(丸紅経済研究所代表)「資源争奪戦と震災日本の課題」

 日本の消費者は過去、三つの安定を享受してきた。「安い価格で、高品質のものを、いくらでも」市場から調達できた。しかし、最早安くない。食の安全保障は脅かされている。
 最近日本は、「三つの買い負け」を言われている。一つは中国などに高い価格で買われてしまう。二番目に日本の消費者の好みが通らない。三番目の買い負けは、買うタイミングを逸している「ことだ。食糧価格など、いずれは下がるものだという認識があるので、買うのを躊躇している間に価格が上がってしまい、買ったとたんに損がでてしまう。

 水不足、異常気象を考えると、日本は、完全自給ができるわけはないが、少なくとも半分は国内で生産するように国内資源の見直しをする必要があろう。食糧も水も新たな希少性を帯びてきた。温暖な気象や生物の多様性などについても、新たな希少性が問題になっている。日本はしたがって、海外での調達も必要だが、農業政策の基本を「過剰」から「不足」に切り替えるべきだ。
 そういう意味で、日本の資源の中で最も有力なのは水田であり、水田のフル活用をはかって出来る限りの増産をしたい。競争力のある物は、輸出に活路を拓く。
 ただ、日本の農業人口の平均年齢は66歳。そのなかで稲作関係は76歳で、やめたがっている。水利管理予算1兆3千億円の60%がカットされてメインテナンスがやっとという状況になっているから、生産調整を止めて水田をフル活用しようとなってもどれだけ復元力があるか、非常に心配している。
 資源価格の高騰は、上がるべくして上がる均衡点の変化である。中国の需要拡大に伴う資源枯渇問題と温暖化の問題、この二重の危機に対して、早く省エネ・省資源を進め、また太陽系エネルギーを取り入れるように、という催促相場ではないか。
 21世紀は、日本発の新たな資源産業革命につながる大きな可能性を持っている。



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